このところ何かと話題に上るお葬式の形式ですが、直葬や火葬式、家族葬など最近は世間体を気にすることなく故人の希望や、今までの形式にとらわれない葬儀の形が受け入れられるようになってきました。
以前や、地方の場合どうしても伝統的なお葬式の体裁を整えなければ、恥ずかしいとかあそこのうちどうしたの?などと陰口を叩かれるからというので、ある意味見栄も手伝って高額なお葬式が当たり前でした。
でもいまや核家族になり、長生きになると、葬儀費用の不明瞭さも手伝ってか、家族だけでお送りする家族葬や直葬、火葬式の葬儀が一般化しつつあります。
昔は密葬というと「何かあったのかしら」などと噂されたので、高額なお葬式をあげざる負えないことがことが多くありました。
しかし多様化する文化の現代のお葬式は、故人や家族が納得するお葬式になりつつあります。
ここでは我が家の直葬、火葬式の実体験をお知らせします。
我が家の火葬式の場合
少し前になりますが、我が家でも祖母のお葬式を出すに当たって、前もってある葬儀関係会社に登録しておきました。
おかげですべてがスムーズに運び、「火葬式」でしたが火葬場の混み具合で、遺体の安置も数日に及びましたが、葬儀社で安置していただけました。その間も毎日式段のある別室で、私たちの家族だけでお線香をあげたり顔を見たりできて、とても満足出来たのです。
ですから火葬式、直葬と一般に言われている簡単に火葬だけするやり方もありますが、その葬儀社によって、心のこもったお見送りができるということです。
火葬式、直葬で悩んでいる方に、我が家で経験した火葬式の工程をお知らせしてみたいと思います。
葬儀までの工程
祖母は晩年地方から都会に移っていましたし、超高齢で親類や身寄りがすでに少ない状態でしたので、大げさな葬儀は必要ありませんでした。
色々調べましたら、登録してプランを知らせておけば、いざという時に直ちに葬儀社を手配してくれるというので、お願いしておいたのです。
当日、その日は病院の霊安室が既にふさがっているとのことで、できるだけ早く葬儀社と連絡して、引き取ってほしいむね言われました。
何と慌ただしい!
でも、病院としては当然ですので、早速連絡しました。
するとすぐに葬儀社から連絡があり、30分ほどで伺います。との返事。
早い助かります!
病院側で遺体の処置をして私たち家族で、きれいにお化粧をしてあげてくださいと言われました。化粧道具は病院で用意いただいたものです。
普段お化粧をしない人でしたので、口紅だけを塗ってあげると、まるで生きているような本当に美しい顔でした。
こういう時の遺族って「きれいよ!」っていうと今にも「ありがとう」と返事が返ってきそうで涙が止まらなくなりますね。
そうこうしているうちに葬儀社が到着して、「お顔伏せ」をかけていただいて葬儀社の車へ。
病院を後にするときの気持ちは、なんとも寂しいものですね。
直葬でも自宅へ寄ってくれます
葬儀社の遺体安置所にすぐ向かうのかと思っていたのですが、「ご自宅にお寄りします」というので寄っていただきました。
母は横で「おうちに帰ってきたよ」と何度も祖母に話しかけてさすっていましたね。
葬儀社の方は「お部屋に安置して明日お迎えに来てもよいですし、このまま安置所にお預かりしてもいいです」とのこと、マンションでエレベーターに乗せるのに、管理人さんを煩わせるのもどうかと思い、葬儀社へとお願いしました。
でもずいぶん長い時間そこにいたのですが、「気がすむまで、いつまででも大丈夫です」といって下さいましたが、あまり長くいるわけにもいきませんので、葬儀社に向かっていただきました。
葬儀社では
葬儀式と費用の説明を受けたり、菩提寺が遠方でしたので、我が家の宗派のお寺さんもはじめに聞いておいた費用でお願いしたり、着付けの美容師をお願いしたり。
部屋を用意してくれたので、一部屋に遺体を安置して、家族でゆっくり祖母とお別れが出来ました。
白装束へ着替える際、私たちも足袋をはかせるなど手伝わせていだきました。
火葬式でも墓地、埋葬等に関する法律第3条で、遺体は死後24時間以内は火葬してはならないという決まりがあるので、直葬といえど24時間は火葬できないため、遺体は葬儀社や火葬場で安置してもらわなければなりません。
祖母の場合は3日目でなければ火葬場が空いていなかったので、その間葬儀社で預かっていただくことになりましたが、そこでも感激したことがあります。
2日間安置していただいて、何時に伺いますと連絡しておくと、一室に線香や、ロウソク、お鈴など一式揃った一部屋で、毎日家族だけでお通夜のように過ごさせていただきました。
直葬、火葬式のイメージとはとちょっと違いましたね。
火葬式でも告別式ができた
そしていよいよ火葬の日になるのですが、式場にお坊さんをお呼びし、少人数ながらきちんとした告別式ができたのです。
本当に家族と親せきの10名に満たない小さなお葬式でしたが、参列した身内も「こういう葬式もいいもんだな」といっている人もいました。
そして火葬場に移送する際、参列者への挨拶もさせていただきましたし、葬儀社の方の礼を尽くした振る舞いに感激したものです。
火葬場で精進落とし
本来火葬場から帰って精進落としと初七日の繰り上げ法要を行うのですが、火葬式では火葬場の控え室で、皆さんと故人の思い出話をしながら、精進落としのお料理をいただきました。
そしてお骨を抱いて自宅へ帰ります。
自宅では帰る時間を見計らって、葬儀社の方が祭壇をもって待機していてくれて、部屋にセットしてお骨を安置してくれました。
小さな小さなお葬式でしたが心のこもった、大変満足のいくお葬式ができたと思います。
母も「私もあそこでこの形で葬式を出してね。」と、今から遺言されてしまいました。
「ただしお花はいっぱいね!」と注文もついてきましたよ。
まとめ
身内のお葬式は、悲しみのうちに次々とおこなわれるものなので、その規模や金額のことは、
後になってから驚くということもあります。
前々から葬儀の見積もりはあってないようなものと言われることが多かったのですが、
我が家の小さな葬儀は、基本の火葬式の見積もりから大きく外れることもなく、別料金はお布施、追加の花、お料理、着付け代くらいで本当にリーズナブルに満足のいく葬儀ができました。
その時初めてお願いしたお寺さんも、その後の49日法要、納骨式以後もそのままお願いしています。良いご縁ができたと思います。
直葬、火葬式は決して個人を軽んじたり、世間体を気にしたりするものではなく、その家族の思いを十分実現できるのではないでしょうか?