最近、テレビ番組やSNSなどで「墓終い」という言葉が取り上げられる機会が増えているように感じます。
これは、お墓の改葬や撤去を指す言葉であり、近年ではその需要が高まっているということでしょう。
その背景にあるのは「無縁仏」の存在です。
墓終いが注目される背景
墓終いが増えている背景には、以下の3つの理由が挙げられます。
核家族化や少子高齢化の進展により、お墓を守る人がいなくなってしまうという現実と、
従来の墓地や葬儀のあり方に疑問を持つ人が増えていることもいなめません。
墓地の維持管理費の高騰です。
墓じまいにかかる費用
墓終いには、通常30万円~300万円程度が目安といわれている費用がかかってきます。
離壇料(お寺から離れる際にかかる費用):数百万から一千万以上の場合も
墓石撤去費用:8万~15万円 / 墓地面積1㎡あたり=40~50万円
新しいお墓の購入費用: 数十万から数百万
新しいお墓への改葬費用: 数十万円
埋葬法要の費用: 5万円〜30万円
僧侶費用: 3~10万円程度
これらの費用は、お墓の規模や状況によって大きく異なり、場合によっては数百万円以上かかることもあるのです。
このような方法もあります
- メモリアルローンを利用する
- 自治体の補助金制度を利用する
- 寺院に相談する
などがありますが、結構な金額が必要です。
最近は自治体も無縁仏になった、遺骨をどうしようかと困っていますので、補助金制度を拡充する方向に動いています。
これもいまだ大都市で多く、地方では今後に期待しなければなりません。
墓じまいの選択肢 散骨や樹木葬
墓終いの方法としては、散骨や樹木葬などの選択肢もあります。
散骨は、遺骨を海や山などに撒くことで、樹木葬は遺骨を樹木の根元に埋葬します。
散骨や樹木葬は、通常の墓地に比べて費用が安く、管理の手間もかかりません。
また、遺骨を身近に感じられるメリットもあるんですね。
バーチャル墓地の可能性
近年では、バーチャル墓地の開発も進んでいます。
最近、無縁仏が増加している問題が、その理由でしょう。
バーチャル墓地とは、インターネット上で仮想的に墓地を立ち上げて、遺骨をデジタルデータとして保存するサービスです。
メタバース霊園が話題となった背景として、現代の日本における課題と深く関係しています。
どのような課題がメタバース霊園の話題性に繋がっているのでしょうか。
先ほどの例のように、ほったらかしつまり、無縁仏が多くなってきていることです。
バーチャル墓地は、従来の墓地に比べてかなり費用が安いうえ、場所を選ばずにいつでもお参りができるという手軽さが現代では好まれるということでしょう。
また、遺骨を守る手間も負担もない。
これが現代では本当に頭痛の種ですから。
遺骨があると、埋葬するお墓がいる。
これがまた高額で、数十万から数百万円。
高名なお寺に墓所を購入すると、数千万円の購入費が必要なことも。
おわりに
墓終いは、現代社会が直面する課題の一つです。
従来の墓地や葬儀のあり方を問い直し、新たな選択肢を模索していくことが求められるのではないでしょうか。
◆2022年7月、内閣府は「お墓のあり方をめぐる検討会」の報告書を公表した。報告書では、墓終いに関する課題を整理し、今後の対応策を検討するための提言を行いました。
◆2023年7月、政府は「お墓のあり方をめぐる基本方針」を策定した。基本方針では、墓終いの円滑化に向けた施策を推進していくことが明記されて、今後も、墓終いに関する議論は活発化していくことが予想されます。
いずれしなきゃと思いながら、これらの費用を思うと、ツイ後回しになりがちです。
これからは慣習にとらわれない方法が、主流になるかも知れません。